私は、お正月を自分の実家以外で過ごしたことがない。
とっても好きな人がいても、
必ず実家に戻って家族ですごす。
キリスト教徒の人々が、
必ずクリスマスは家族で過ごしているように
私はお正月はこれからも家族と過ごすと思う。
でも、
『人のセックスを笑うな』を読んで初めて、
こういうお正月も悪くはないのかな・・・とも思う。
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19歳の磯貝みるめは、
通っている美術専門学校の講師を務めるユリと恋に落ちる。
結婚していて、
特別にキレイなわけでもない、
年も20歳も離れたユリのことが心から好きになる。
この二人が吸い付くように恋をして、
自然と恋が終わっていくまでをゆるゆると描いている。
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私は、
お正月に彼らが二人で過ごしたシーンがとっても好きだ。
二人で年越しそばならぬ、
年越しうどんを鍋の残りで作って食べ、
布団に包まってカウントダウンまでをウトウト過ごす。
気がついたらもう年は越えて、
何を話していたかも二人は覚えていない。
しかも、気づいたらユリはスヤスヤ熟睡し始めているのだ。
ん・・・?
なんて、我が家に似ているのだろう!!!
私は気合を入れて、
あけましておめでとう!
と家族で乾杯でもしたいのに、
3・2・1・・・
とテレビと一緒にカウントダウンをしていると、
父:うたたね。
母:お風呂にてゆっくり読書。
弟:チャンネルを変えてテレビ三昧。
(『行く年来る年』→『カウントダウンTV』などに)
という感じ。
寂しいような、
我が家らしいような。
だからこのユリのゆるゆる感は、まるでうちの家族のような脱力感で、嫌いじゃない。
その寝ているユリを起こして
『あけましておめでとう!』
というみるめに、寝起きのユリは聞くのだ。
『幸せってなんだか知ってる?』
『知らない。』そう答えたみるめに、
『こういうことだと思う』とユリは答えた。
そうなんだと思う。
大事な日に、
大切な人と、大切な家族と、大切な友人と
おめでとうを言い合えることは、
奇跡なんだと私も思う。
そして二人はこの後、
<布団の国のお姫様と王様の気分で眠った>のだ。
せつなさ100%の恋愛小説、と評されているこの小説だけれど、
この二人の関係は、<せつない>というよりは、
寄せ集めた奇跡の塊のように見えた。
映画も必ず観たい!
と思う1冊。
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