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2006年3月18日 (土)

パイロットフィッシュ

パイロットフィッシュ Book パイロットフィッシュ

著者:大崎 善生
販売元:角川書店
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     Img_pf_01_2          『パイロットフィッシュ』

  著者:大崎 善生

  角川文庫 絶賛発売中 定価:500円(税込)

  <STORY>
人は、一度巡り合った人と二度と別れることはできない――。
午前二時、アダルト雑誌の編集部に勤める山崎のもとにかかってきた一本の電話。受話器の向こうから聞こえてきたのは、十九年ぶりに聞く由希子の声だった……。
記憶の湖の底から浮かび上がる彼女との日々、世話になったバーの      マスターやかつての上司だった編集長の沢井、同僚らの印象的な姿、言葉。
現在と過去を交錯させながら、出会いと別れのせつなさと、人間が生み出す感情の永遠を、透明感あふれる文体で繊細に綴った、至高のロングセラー青春小説。
吉川英治文学新人賞受賞作。

  <つぶやき>
「とてもキレイな装丁だなぁ」
「パイロットフィッシュ?なんだろ?」
とまでは本屋さんで見かけた時に思った記憶はあるのです。
でもなんだか手に取るタイミングに恵まれないままでした。

『人は、一度めぐり合った人と二度と別れることはできない。なぜなら人には記憶という能力があり、そして否が応にも記憶とともに現在を生きているからである。』

物語はこの二行から始まる。
40歳を過ぎた主人公のもとに、アルコール依存症になった友人から電話がかかってくる。彼は、20年前に何度と無く人を罵倒し、傷つけるために放った自分の言葉の記憶に苦しめられていた。
そして、19年ぶりに20歳のころの恋人からの電話もかかってくる。
当時、別れた三ヶ月後の手紙で
「この愛が本物ならば、二人はこの世界のどこかで必ず再びめぐり合うはずです。私はそれを信じ、それにかけてみます」こう、書いた彼女からだった。

人は二度と戻らないものも、二度と見ることのできないものを、忘れることができないんですよね。だから、悲しく、背中から自分のすべてを吸い取られるような喪失感に苦しむのかもしれません。
結果的に、手紙を書いた彼女は彼には手紙の意味のままにはめぐり合うことはないわけですが、それも受け入れる彼女の強さに胸を締め付けられます。
思い出も、会えない間の記憶も、今となっては自分への愛情は無いであろうかつての恋人に、きちんと伝えたいことを告げに行った勇気に同じ女性として本当にすごいと思います。
人生に大切なものは、「出会うこと」なのか、「記憶に残る」ことなのか、「誰かと寄り添う」ことなのか…
こんなに優しい、苦しい気持ちになる小説は久しぶりでした。
すでに三回読みました。

ということで、2つ目の記事にして早くも小説をご紹介してしまいました・・。
ぜひ、皆さんも読んでみてくださいね!

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コメント

はじめまして。パイロットフィッシュ、アタシも友達に薦められて読んだのですが、とても素敵な話ですよね。
「出会う事」「記憶に残る事」「寄り添う事」
どれが一番大切なことなんだろう・・・

もう一度読んでみようと思います♪

投稿: てくてく | 2006年3月19日 (日) 17:06

てくてくさんこんばんは!
コメント、どうもありがとうございました☆
初めていただいたのでとっても嬉しいです♪

多分、二回目読んでいただいても、胸がきゅーっと切なくなる作品です。二回目も楽しんでください!

最近海外から帰国した友人にもすすめておきました!
よかったら、ノルウェイの森もすこーし雰囲気が似ているので合わせて読んでみてくださいね☆

投稿: 映画生活 | 2006年3月19日 (日) 21:20

パイロットフィッシュ!早速よんでみました。

『人は、一度めぐり合った人と二度と別れることはできない。なぜなら人には記憶という能力があり、そして否が応にも記憶とともに現在を生きているからである。』

人は記憶とともに現在を生きている。
今の私には少しつらくて、でも認めざるおえない言葉です。

これから20年たったら、この言葉は、もっとずっと私の心を締め付ける言葉になるような気がします。

人は、大好きな人の記憶のなかで、その人にとって、きれいで少し切ない透き通った湖のような美しい存在として、死の瞬間を迎えるまで残る方がいいのか。
それとも、寄り添い合って、お互いのいやな部分もとことん見つめ合って、家族愛の対象となって共に生きるほうがいいのか。
それとも最初から出会わなかったほうがよかったのか。

尻尾の千切れた犬が失ったものは何だったんだろう、、、。

なんだか、かなり考えさせられる作品でした。

素敵な本をどうもありがとう!

投稿: 向日葵 | 2006年3月23日 (木) 02:55

向日葵さん、コメントどうもありがとう。
忙しいなかブログに遊びに来てくれて嬉しいです♪
月曜日にお薦めした小説一冊をこうやって2日間ですぐ読んでしまう・・・そしてちゃんとコメントをくれる・・・のが向日葵さんです。その行動の速さや、しっかりその作品について考えてくれるところはホントに尊敬です。
人は、記憶と共に生きている・・・から私たち、そういつもの愉快な仲間たちもいつまでも大好きなのだろうなあ・・・と思います。
記憶は、しっかりと幸せも辛さも悲しさも喜びももたらしてくれてしまうんですよね。
でも、一つ思うのは、私たちの思いのベクトルの方向はあっている気がしませんか?こういう優しい作品を読んで、いろんなことを考えて友人とこうやって話している・・・
必ず物事うまくいくような気もしてきませんか???
向日葵さんからも優しい作品を見つけたら紹介してくださいね☆


投稿: 映画生活 | 2006年3月23日 (木) 17:52

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