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2006年11月24日 (金)

九月の四分の一

九月の四分の一 Book 九月の四分の一

著者:大崎 善生
販売元:新潮社
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この『九月の四分の一』の中の
一つ目のお話。
報われざるエリシオのために』について。

エリシオとは、
ノルウェイの作家の作った彫刻のこと。

タイトルだけでぐっとくるけれど、
村上春樹さんの短編集『神の子たちはみな踊る』
のなかの一編である『蜂蜜パイ』

が大好きな私には
たまらない一編でした。

チェス研究会に集まった
大学生3人の物語。

一人の女の子(頼子)が、
一人の男の子(武井)に恋をする。
もう一人の男の子(山本)はチェスという答えのない
そしてあまり意味もない
ゲームの研究の中にどんどん沈みこんでいく。

彼らが大人になりながら、
考え、苦しんだりする姿、
何かを間違えてしまったあとに残る
ためらいと焦燥感。
それらが読み手のいる場所の空気を変えます。

チェスの研究ににはまってしまった山本君を
大学を卒業して学芸員になった頼子が美術館に呼び出すシーンがあります。

彫刻になんて興味がなかった彼が一言。
僕がね、ここに来て一つだけ思ったことは
 人間は意味のあるものを作り出すより、
 無意味なものを作るほうがはるかに大変だろうということ

このシーンで
私も山本君に恋をしそうでした。

静かに、
世の中に溢れている
意味のあるものとそうでないもの、
それらについて真剣に考えている

山本君に会ってみたい。

私はこの小説に恋をしてしまったようです。

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