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2006年12月18日 (月)

『GO』の小説と映画について

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著者:金城 一紀
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この小説には、
『キュン』とさせられる部分があまりに多いのです。
私は、読み始めてすぐに杉原に恋をして、
その杉原が恋をした桜井という女の子に憧れてしまいました。

主人公・杉原の恋の物語。
というには恋愛小説っぽさにかけるのが楽しいところ。

映画も観てみたけど、
私は小説のほうが好き。

映画の中の杉原より、
私が想像する杉原の方がかっこよかったし、
私が想像する桜井のほうが、
『勝手にしやがれ』の中のジーン・セバーグのような
ベリーショートの素敵なかわいらしい女の子だったから。

いっぱいあるけれど、
一番好きなところは下に書いた部分。

杉原と桜井がデートの帰りに駅で別れるシーン。

有楽町駅の改札で別れた。
桜井は、またね、とそっけない言葉だけを残して、僕と反対方向のホームへと上がって行ってしまった。

僕は、日比谷公園の犬の足取りでホームへ繋がる階段を上がった。
ホームの適当な場所で立ち止まり、ぼんやり下を向いていると、視線の上のほうに、向かい側のホームでせわしなく動いている人影が映った。

視線を上げた。

桜井が、今にも飛び上がりそうなほどのつま先立ちで、僕に向かって手を振っていた。
二つのホームの多くの乗客の視線が、僕に集まっていた。
僕が桜井の行為に応えられずにいると、乗客たちの苛立ちのようなものが伝わってきた。

電車がホームに入ってくる、というアナウンスが流れると、近くでいくつもの舌打ちの音が聞こえた。
僕は恥ずかしさをこらえながら手をあげ、桜井に手を振り返した。
乗客たちの安堵感が伝わってきた。

桜井のホームに電車が滑り込んできて、桜井の姿を消した。

僕は上げていた手をさりげなく下ろしたあと、それまでいた場所から急いで移動を始めた。
僕に目をむけている人たちはみんな、初孫が始めて歩いている姿を見るような目で僕を見ていた。

桜井という女の子が
どれだけかわいらしい子か、
ここでわかる気がします。

金城一紀さんの小説は、
これで4作目ですが、
一番おもしろかったかもしれません。

まだ読んでない方はぜひ。

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